第4回日曜数学会に参加してきた

先日、第4回 日曜数学会 に参加してきました。

場所は、上野毛のLoopolicというカフェで行われました。なんでも、Loopolic = Loop(人の環)+ holic(夢中)というコンセプトがあるそうで、すごく素敵です。

外観はこんな感じ。ちょっと大通りから隠れたところに佇む、良い雰囲気のお店。機会があったらカフェとしても立ち寄りたいところです。

Loopolic

日曜数学会の本編は、発表(5分)+質疑(5分)からなるLTの集合で構成されており、今回のプログラムは以下の通りでした。

========================================
1.キグロ 江戸時代以前の和算について
2.辻順平 ベルヌーイ数を割る素数
3.ちばまさみ もうとけない(分数編)
4.綾塚祐二 最大公約数に関するささやかな知見
5.高橋俊樹 ポリゴングラフとその応用
6.kuma sinc関数の広義積分について
7.岩淵勇樹 加法よりも低レベルな演算を考える
8.堀川由人 Riemann球面に内接する直方体
9.まこぴ~@Project M 自然数のべき和公式を作ろう
10.素数Tシャツ 寄り道をせずにまっすぐ進む方が道のりは短いという事実から、我々は思いがけず素数に遭遇する
11.三好潤一 幾何学模様三題
12.片桐奏羽 ゲージ理論と時間変数
========================================

特定の分野に偏ることもなく、専門外だった分野の話を多く聞けたので個人的にはとても刺激になりました。間に休憩という名の延長戦も多くあって、深掘って考えたり話し合える時間があって心地良いペースでした。
 

江戸時代以前の和算について

万葉集時期(飛鳥時代)の和歌の中に、九九の読み方を織り交ぜたものが多数含まれているそうです。九九は、算木とともに中国から輸入されていたという説があり、当時としては先端だった九九を使うことが格好良いと考えられていたのでは?という話。いまの最先端の数学を和歌に入れるとどうなるんだろう?みたいな質問もありましたが、何だかとんでもないことになりそうですw
 

ベルヌーイ数を割る素数


ベルヌーイ数に関係する素数としては非正則素数が有名(?)ですが、その中でもB_{p-3}/{p-3} を割り切る素数pをWolstenholme Prime と呼ぶそうです。
まだこれは 10^9 までの範囲で2つしか発見されていないので、なんとか3つめを発見したい!のですが、ベルヌーイ数の計算をすること自体が相当に大変とのことです。3つめ見つけたい…!
 

もうとけない(分数編)


最近の小学生が解く算数事情について。分数の約分で12317/11663を約分しなさい、とか出るんですって。まじ鬼ですね。たぶん最近の小学生はユークリッドの互除法とか知ってて当たり前なのかもしれないです。
分数を単位分数の和に分解するような問題も最近流行っているらしく、10代前半にして単位分数、エジプト分数に思いを馳せる環境がある今の日本の教育環境、実は結構すごいのかもしれません。
 

最大公約数に関するささやかな知見


最大公約数の数表を作って、その大きさを明るさに置き換えたビジュアルに変換してみると、なぜ発生しているのか良く分からない波形が見えてくるという点が印象的でした。波形をなしている数を取り出してみると、何かしら特殊な規則性が見えてくるかもしれないですね。自分でも試してみたいです。
 

ポリゴングラフとその応用

グラフの応用の幅を感じたLT。個人的には、枝刈り法などのプロセスが、長時間使われていないメモリを探して開放するGarbageCollectionのあたりに応用できるという話題に興味を持ちました。実際にGC周辺はコードを読んだことも特にないので、触れてみたい領域です。
「ペースを考えないから残業が多い」は至言でしたw
 

sinc関数の広義積分について


大学院入試を考えていたときに触れていたような話題で非常に懐かしく感じられました。sinc関数というのはsin x/xのことを指しますが、複素積分を使わずにFourrier変換を使って求めることができるんですね。今回の発表で初めて知ったのですが非常に面白かったです。
 

加法よりも低レベルな演算を考える


加算の繰り返しによって乗算ができ、乗算の繰り返しによって累乗ができたように、「繰り返しによって加算ができる」ような演算を考えられないか、という発想での考察をまとめた発表。突き詰めていくと発想の単純さに比して意外と難しいです。発表中もマリオが5〜6機ほど死んでいて大変でしたね。
 

Riemann球面に内接する直方体


これは動画で見てほしいです、とにかく動きが綺麗!アニメーションにはpov-rayというツールを使われているとのことで、ちょっと触ってみましたが、あのレベルの動きを再現するのは大変そうです。。
 

自然数のべき和公式を作ろう


(n+1)^k - n^kの展開式から帰納的にべき和公式が得られ、最終的にはベルヌーイ数とのつながりも導出されるという内容。TeXでつくったPDFはスライドショーにしない方が発表しやすいというのも個人的には密かな発見でした。(何かそういったスライドショーに適したツールがあると良いですよね。TeXきれいだから、そのまま発表したいこともあるし。)
 

寄り道をせずにまっすぐ進む方が道のりは短いという事実から、我々は思いがけず素数に遭遇する

スライドはこちらからダウンロードできます!

要するに「菊池寛は偉大。一方、曽野綾子h (ry 」という話。三角不等式 〜 距離空間 〜 Q上の絶対値 〜 p進数体 〜 Ostrowskiの定理 にまで持っていくというとんでもないスピード感の内容でしたが、これを5分でユーモアも交えて発表してしまうという凄まじさ。素数とは三角不等式、菊池寛はエライ!
 

幾何学模様三題

ここでいう三題とは、ウィア・フェラン構造、Self Tiling Tile Sets、板東秀行の夢のタイル張り定理(という名の予想)のことです。この分野に疎い私にはどれも新鮮でした。ウィア・フェランについては「数学は永遠に」というTEDの講演でも紹介されていましたね。なんでこんな形に行き着くのだろうか。。。
 

ゲージ理論と時間変数

時間を力学変数として考える観点を知ったり、時間の流れ方に依存しない対称性(ゲージ対称性)という概念を知ることができたりと、とても新鮮でした。大学1・2年時代に聞いた物理の話はさっぱりついて来れなかったですが、今になって聞いてみると何となくなら理解できますね。改めて物理を学びなおしても良いかも。
 

補足

素数Tシャツはこちらで販売されているそうです。私は購入します。

パズる会のページはこちらです。参加申し込みは2月10日(水)までとのことなので、興味のある方はお早めに!私も1日参加しようと思います。

ニコニコ学会β データ研究会のイベントについては、こちらで告知されるようです(探し出しましたw)次は第8回になるそうです。これも興味をそそりますねぇ。行きたいものが急に増えてしまいました。